吃音関係のリンク集です

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吃音への脳科学的アプローチ

2000年前後から、米国テキサス大学の心の不思議の解明映像研究センター(RIC:Reseach Image Center)で、「吃音は脳神経の機能不全によるもの」[4]という脳神経科学の視座から研究が進み、『脳機能障害』であるとの見解が出てきている。日本においても吃様の類似の症候群としての吃音は、脳内物質や脳神経、脳幹部の海馬や扁桃体などに関連しているとする研究論文が2002年に日本音声言語医学会に発表され[9]、吃音は発語運動に関連する脳内の神経回路のどの部分が機能不全を起こしても発症し、脳神経の3つの回路と2つの機能レベルに分けられること、このそれぞれの機能不全によって、吃音の種類や性質も異なるとされる。 吃音者と非吃音者の脳をMRIで検査した比較研究からは、非吃音者は発語時に左脳が優位であるが、吃音者は右脳が過活動し、脳の左右の言語に関わる運動脳野などの機能分化が進んでおらず、言語と非言語(舌の動きなど)の両方に関わる運動野の部位で協調性が低下しており、言語運動の開始や抑制に関連した脳部位の活動が明瞭ではないことなど、非吃音者とは異なる働きをしていることが分り、『大脳半球優位説』(1931年にリー・エドワード・トラヴィスが提唱)が科学的に解明された[10]。それによると一次運動野、運動前野、補足運動野、前頭前野、頭頂葉、小脳(神経線維の白質)、大脳辺縁系、大脳基底核などに異常をきたしているとして、国内外などにおいて研究が進められている。また、吃音は不随意運動であり、発語時に運動系に何らかの異常な信号が出ているとする見解がある。 世界的に権威のある医学研究データベースMEDLINEには、吃音とセロトニンに関する研究論文が1960年代から2007年まで46本発表されている。あまつさえ、吃音者の脳はドパミン過剰になっていることも解明されている。それらの結果などから吃音は症状であり、原因、或いは性質や種類は単一ではなく様々なタイプがあることが徐々に分かりつつある。


吃音へ遺伝学的アプローチ

一部の吃音については吃音遺伝子が少しずつ特定されてきているとされ、吃音は部分的には遺伝子が関与しているようであるとする説がある。米国立聴覚障害・コミュニケーション障害研究所の遺伝子学のデニス・ドレイナは、吃音で訪れる人の半分に身近な家族に吃音者がいると言っている。吃音に関連する遺伝子は沢山あり、その一つ一つの寄与率は少ないと考えられているので、遺伝子の特定は難しい。しかし、数年前にカメルーンから吃音のインターネット会議で書き込みがあり、そこの有力な家族に吃音が多く発生しているとの報告で、事態は大きく変化した。書き込みした人によると、彼の家族は大人が106人いて、その内の48人が吃音であるという。明らかに遺伝性を示唆し、一つの遺伝子の変異から生じている可能性がある。ドレイナの研究チームはこの家族の遺伝子を調べて、第1染色体に50から60個の関連遺伝子を突き止めた。一方、パキスタンの吃音者を沢山出している家系からは、第12染色体上に関連遺伝子を発見し、その同定を進められている(2006年 NYタイムズ一部抜粋)[11]。 他方、吃症状を起こす疾病や障害の原因と思われる遺伝子は多数分かっており、これらの遺伝子の作用が複合して吃症状を現すと考えられるものの、 2000年前後の新しい生物学的研究から、遺伝子決定論は修正され、環境や心理的なもの(信念や前向き思考など)で遺伝子は変化するとされ、吃音は必ず遺伝するというものではなく、吃音遺伝子も特定されていないとする説もある
引用: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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